ポータブル電源は、容量を間違えると「買ったのに動かしたい家電が動かない」「大きすぎて持ち出さなくなった」のどちらかになります。Jackeryの現行ラインナップは容量帯ごとに役割がはっきり分かれているので、先に「停電や車中泊で何を動かしたいか」を決めれば、選ぶ機種は自然に絞れます。
この記事では、Jackery Japan公式ストアで販売中の現行4機種を、容量・定格出力・重量・充電時間の公式値で横並びに比較します。私が選ぶなら、家庭の停電対策が目的なら1500 New、持ち運びと自宅の両用なら1000 New V3です。理由は後半の用途別の選び分けで説明します。
この記事の要点
- 容量の決め方は「動かしたい家電の消費電力×使いたい時間」。スマホと照明だけなら256Wh、冷蔵庫や電子レンジまで視野に入るなら1,500Wh以上が目安です
- 4機種はすべてリン酸鉄リチウムイオン電池で、寿命は約4,000〜6,000サイクル。毎日使っても数年単位で容量を維持できます
- 持ち運ぶなら3.6kgの240 Newか10.6kgの1000 New V3、置いて使うなら14.5kgの1500 Newか18.6kgの2000 New V2が現実的な線です
容量は「動かしたい家電の消費電力×使いたい時間」で決まる
ポータブル電源選びで最初に見るのは容量(Wh)です。考え方はシンプルで、家電の消費電力(W)に使いたい時間(h)を掛けた分だけ容量が要ります。たとえば消費電力100Wの家電を5時間動かすなら、最低でも500Whが必要です。
目安として、停電時に使う家電の消費電力はこのくらいです。
- スマートフォンの充電: 約30W(1回あたりの消費は小さい)
- LED照明: 5〜10W
- 扇風機: 約15W
- ノートパソコン: 80W前後
- 電気毛布: 約55W
- テレビ: 約60W
- 電気ケトル: 約850W
- 電子レンジ: 1,000W前後
- 冷蔵庫: 稼働中は100W前後でも、1日単位では消費が積み上がる
容量が決まったら、次は定格出力(W)を確認します。容量が足りていても、家電の消費電力が定格出力を超えると動きません。ここが容量選びでいちばん間違えやすい点です。
出力300Wでは熱を使う家電は動かない。1,500Wから家電の選択肢が広がる
定格出力は「同時に流せる電力の上限」です。240 Newの300Wでは、スマホ・照明・扇風機・ノートパソコンといった低消費の機器が中心で、ドライヤーや電気ケトル、電子レンジのような熱を使う家電は動きません。
1,500Wの1000 New V3になると、電子レンジや電気ケトル級の家電まで視野に入ります。ただし冷蔵庫や電子レンジ、ドライヤー、電動工具のように起動時に大きな電力が要る機器は、消費電力が定格出力以内でも動かない場合があると公式FAQに明記されています。2,000Wの1500 New、2,200Wの2000 New V2は、その余裕がさらに広がります。
もう1つ、重さも外せません。容量が大きい機種ほど重くなり、2000 New V2は18.6kgあります。置き場所を決めて使う分には問題になりませんが、車への積み下ろしを繰り返す使い方では、重さがそのまま負担になります。
4機種の主な違いは容量・出力・重さの3点です
現行4機種の公式スペックを並べます。価格はJackery公式ストアの表示価格です。
| 項目 | 240 New | 1000 New V3 | 1500 New | 2000 New V2 |
|---|---|---|---|---|
| 公式価格 | 32,800円 | 109,800円 | 149,800円 | 199,800円 |
| 容量 | 256Wh | 1,024Wh | 1,536Wh | 2,048Wh |
| 定格出力 | 300W | 1,500W | 2,000W | 2,200W |
| 電池 | リン酸鉄リチウム | リン酸鉄リチウム | リン酸鉄リチウム | リン酸鉄リチウム |
| 充放電サイクル | 約4,000回 | 約6,000回 | 6,000回 | 約4,000回 |
| 重量 | 約3.6kg | 約10.6kg | 14.5kg | 18.6kg |
| AC満充電 | 約1.9時間 | 約73分 | 約1.5時間 | 約2時間 |
| UPS切替 | 20ミリ秒未満 | 約10ms以内 | 0.01秒以内 | 10ミリ秒未満 |
| 保証 | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 |
4機種の評価を項目ごとにまとめると、次のようになります(公式値の相対比較です)。
| 評価項目 | 240 New | 1000 New V3 | 1500 New | 2000 New V2 |
|---|---|---|---|---|
| 容量 | △ | ○ | ◎ | ◎ |
| 定格出力 | △ | ○ | ◎ | ◎ |
| 持ち運びやすさ | ◎ | ◎ | ○ | △ |
| 充電の速さ | ○ | ◎ | ◎ | ○ |
| 寿命(サイクル数) | ○ | ◎ | ◎ | ○ |
価格を容量で割った1Whあたりの単価は、240 Newが約128円、1000 New V3が約107円、1500 Newと2000 New V2が約98円です。大きい機種ほど容量単価は下がります。ただし使わない容量は無駄になるので、単価だけで選ばず、動かしたい家電から決めるのが順序として正解です。
240 Newは3.6kgで持ち出せる、スマホと照明と扇風機のための1台

240 Newは容量256Wh・定格出力300Wの最小モデルです。重さは約3.6kgで、片手で持って車に載せたり、家の中の部屋を移動したりが苦になりません。公式の稼働目安は、スマートフォン充電(29W)約11回、ノートパソコン(87W)約2回、LED照明(5W)約21時間、扇風機(15W)約16時間、電気毛布(55W)約3.7時間です。停電の夜に「スマホと明かりと扇風機」をまかなう用途なら、この容量で足ります。
充電はACで約1.9時間、緊急充電モードでは最速1時間です。USB-Cは最大100WのデュアルPD対応で、スマホとノートパソコンの同時充電ができます。バッテリー節約モードで充電上限を85%に抑えると寿命が1.5倍になる設計で、普段は備えとして置いておく使い方にも向きます。
気になる点は出力と容量の小ささです。300Wでは熱を使う家電は動かず、256Whでは電気毛布も約3.7時間までです。一晩を通して使いたい用途には向きません。車のシガーソケットから充電するためのケーブルは別売りなので、車中泊で車から充電したい場合は合わせて用意してください。
1000 New V3は約73分で充電できる、停電の夜をしのげる中核の容量

1000 New V3は容量1,024Wh・定格出力1,500Wで、4機種の中でバランスが取れた中核モデルです。重さは約10.6kgで、前モデルから19%小型化されています。AC出力は3口あり、2つのグループに分けて独立にオン・オフできるので、使っていない系統の待機電力を抑えられます。
目を引くのは充電の速さです。通常のAC充電で約73分、容量1,024Whを満充電できます。停電が長引きそうなときに、短時間の復電や発電の合間に充電を終えられるのは大きな強みです。ソーラー入力は最大400Wまで対応し、200W入力では約7.5時間で満充電できます。充放電サイクルは約6,000回で、4機種の中で最も長寿命な部類です。
気になる点は、起動電力の大きい家電への対応です。公式FAQでは、冷蔵庫・電子レンジ・ドライヤー・電動工具は消費電力が1,500W以内でも使えない場合があるとされています。電子レンジ級の家電を確実に動かしたい場合は、出力に余裕のある1500 Newを検討してください。容量1,024Whは「停電の夜をしのぐ」には十分ですが、冷蔵庫を丸1日動かし続ける用途では心もとない容量です。
1500 Newは出力2,000Wで電子レンジと電気ストーブまで動く

1500 Newは容量1,536Wh・定格出力2,000W(瞬間最大4,000W)で、家庭の停電対策として最も現実的な1台です。公式の稼働目安は、電子レンジ(1,000W)約1.2時間、電気ストーブ(1,200W)約1時間、スマートフォン約79回、LED照明(10W)約45時間、電気毛布(55W)約18時間です。災害時は1〜3日の活用を想定した容量だと公式も説明しています。
重さは14.5kgで、旧モデル1500 Proの17kgから約15%軽くなりました。折りたたみハンドルで片手で持ち上げられる設計ですが、14.5kgを持って歩き回る使い方には向きません。リビングや寝室の定位置に置き、停電時にその場で使う前提の重さです。充電はACで約1.5時間(0〜80%は約1時間)、緊急充電モードで最短80分です。サイレント充電モードでは充電時の騒音が30dB以下に抑えられます。
気になる点は別売品です。車のシガーソケットから充電するケーブルは別売で、ソーラーパネルを4枚つなぐ場合は接続用のアダプターが2個必要です。もう少しセット内容が充実していれば、車中泊とソーラーを組み合わせる人には買いやすくなります。価格は149,800円で、1000 New V3との差額40,000円で容量が512Wh増え、出力も500W上がります。停電対策が主目的なら、この差額には見合う価値があります。
2000 New V2は2,048Whで冷蔵庫とエアコンを回せる、置く前提の最大容量

2000 New V2は容量2,048Wh・定格出力2,200W(瞬間最大4,400W)の最大モデルです。公式の稼働目安は、冷蔵庫(15〜520W)3.2〜72時間、エアコン(900W)約2時間、電子レンジ(960〜1,160W)約1.5時間、テレビ(60W)約25時間、電気ケトル(850W)約2時間、ノートパソコン(80W)約24回です。冷蔵庫と照明と通信機器をまとめて1日まかなうなら、この容量帯が要ります。IEC60068-3-3の耐震試験に合格していて、震度7相当の地震を想定した設計です。
充電はACで約2時間、ソーラー入力は最大400Wまで対応します。セルを本体構造に組み込むCTB構造で、2,000Whクラスとしては小型化されていますが、それでも重さは18.6kgです。車への積み下ろしを一人で繰り返す使い方では、この重さははっきり負担になります。置き場所を決めて動かさない前提で選ぶ機種です。
もう1つ、買う前に知っておきたいのは拡張の可否です。2000 New V2には拡張機能がなく、バッテリーパックを追加して容量を増やすことはできません。後から容量を増やしたくなっても買い替えになります。充放電サイクルも約4,000回で、1000 New V3と1500 Newの6,000回より少なめです。容量と引き換えに、拡張性とサイクル数が抑えられている構成です。
ソーラーパネルをつないだまま日照の弱い状態が続くと、待機消費で残量が減り、過放電で故障につながるおそれもあります。パネルをつなぎっぱなしにする場合は、残量の減り方に注意してください。
防災には1,500Wh級、車中泊には1,000Wh級、キャンプは容量より重さで選ぶ
用途ごとに、向いている機種を分けます。
家庭の停電対策が主目的なら、1500 Newか2000 New V2です。 冷蔵庫・照明・スマホ充電を1日まかなうには1,500Wh級が下限で、エアコンや電子レンジまで使うなら2000 New V2の2,048Whと2,200W出力が要ります。わが家の備えとして置くなら、私は電子レンジまで動く1500 Newを基準に考えます。停電が長引く地域や、夏場にエアコンを止めたくない事情があるなら、2000 New V2まで上げる判断です。
車中泊が主目的なら、1000 New V3です。 10.6kgで車への積み下ろしが現実的で、電気毛布・照明・スマホ・ノートパソコンを一晩まかなえる容量があります。約73分で満充電できるので、出発前の充電も短時間で済みます。電気毛布だけ・スマホだけという軽い使い方なら、240 Newでも足ります。ただし240 Newの電気毛布の稼働目安は約3.7時間なので、一晩中使うなら1000 New V3が安全圏です。
キャンプが主目的なら、重さで選んでください。 サイトまで運ぶ距離があるなら3.6kgの240 New、車を横付けできるオートキャンプで調理家電も使うなら1000 New V3です。1500 New以上の重さは、キャンプのたびに運ぶには負担が大きく、置き場所のある防災用途と兼用する場合に限るのが現実的です。
逆に、どの用途でも避けたいのは「とりあえず一番小さいもの」を買う選び方です。256Whでは停電の夜にできることが限られ、備えとしての安心感が得られにくくなります。
購入前に、使いたい家電の消費電力から逆算する手順
買ってから困らないために、注文前に次の手順で確認してください。
- 停電時や車中泊で動かしたい家電を書き出し、それぞれの消費電力(W)を製品表示や取扱説明書で確認する
- 家電ごとに「消費電力×使いたい時間」を計算し、合計して必要な容量(Wh)を出す
- 同時に使う家電の消費電力の合計が、選んだ機種の定格出力を下回っているかを確認する。起動電力の大きい家電(冷蔵庫・電子レンジ・ドライヤー)は余裕を見る
- 置き場所と運び方を決め、重量が許容範囲かを確認する(14.5kg以上は定位置に置く前提)
- 充電方法を決める。車のシガーソケット充電ケーブルとソーラーパネルは別売りなので、使う予定がある場合は本体と一緒に用意する
よくある質問
停電時に冷蔵庫を動かし続けられるのはどの機種ですか
冷蔵庫の稼働目安を公式が示しているのは2000 New V2で、消費電力に応じて3.2〜72時間です。照明やスマホ充電と併用しながら冷蔵庫を回すなら、2,048Whの2000 New V2が安心です。なお、冷蔵庫は起動電力が大きい家電なので、定格出力に余裕のある機種を選んでください。
UPS機能はパソコンや医療機器に使えますか
4機種ともUPS機能を備えますが、切替は約10〜20ミリ秒で、0ミリ秒の完全無停止ではありません。公式ページでは、データサーバーやワークステーション、医療機器には接続しないよう明記されています。在宅ワーク中のパソコンの瞬断対策としては使えますが、用途を守ってください。また、UPSとして使う間は、1000 New V3・1500 New・2000 New V2では最大出力が1,500Wに制限されます(停電で商用電源が切れると、定格出力に戻ります)。
ソーラーパネルは必要ですか
必須ではありません。4機種ともAC充電が基本で、満充電まで約73分〜2時間です。ソーラーパネルが役立つのは、停電が数日に及ぶ場合と、電源のない場所で連泊する場合です。240 NewはSolarSaga 100(100Wパネル)1枚で約3.3時間、1500 Newは最大400W入力で約4.5時間が公式の目安です。パネルは別売りです。
保証と寿命はどのくらいですか
4機種とも、公式ストア購入分は3年保証に2年が自動延長され、合計5年保証です(登録は不要です)。電池はリン酸鉄リチウムイオンで、充放電サイクルは240 Newと2000 New V2が約4,000回、1000 New V3と1500 Newが約6,000回で、いずれもサイクル後も初期容量の70%を維持します。
まとめ|迷ったら1500 New、持ち運ぶなら240 Newか1000 New V3
4機種の位置づけを整理します。
- 240 New(32,800円): 3.6kgで持ち出せる最小構成。スマホ・照明・扇風機の備えと、軽いキャンプ・車中泊向け
- 1000 New V3(109,800円): 約73分の高速充電と1,024Whのバランス型。車中泊と停電の夜の両用向け
- 1500 New(149,800円): 2,000W出力で電子レンジまで動く。家庭の停電対策の基準になる1台
- 2000 New V2(199,800円): 2,048Whの最大容量。冷蔵庫とエアコンを回す、置く前提の本格備え向け
デメリットをまとめると、240 Newは出力と容量が小さく、1000 New V3は起動電力の大きい家電に注意が要り、1500 Newは14.5kgの重さと別売品の多さ、2000 New V2は18.6kgの重さと拡張不可が挙げられます。それでも、リン酸鉄リチウムイオン電池の長寿命と5年保証を全機種で揃えている点は、数年単位で備える製品として大きな安心材料です。
私の結論は、停電対策なら1500 New、持ち運びと兼用するなら1000 New V3です。まずは動かしたい家電の消費電力を書き出して、容量が足りる機種から選んでください。容量が足りる機種が決まったら、1500 Newと1000 New V3の価格と在庫を、公式ストアとAmazonで確認してください。
※本記事は2026年11月3日時点の情報で記載しています。
出典・参考
- Jackery Japan 公式サイト「ポータブル電源 240 New」製品ページ: https://www.jackery.jp/products/explorer-240-new
- Jackery Japan 公式サイト「ポータブル電源 1000 New V3」製品ページ: https://www.jackery.jp/products/explorer-1000-new-v3
- Jackery Japan 公式サイト「ポータブル電源 1500 New」製品ページ: https://www.jackery.jp/products/explorer-1500-new
- Jackery Japan 公式サイト「ポータブル電源 2000 New」製品ページ: https://www.jackery.jp/products/explorer-2000-new
- Jackery Japan 公式サイト ポータブル電源コレクション: https://www.jackery.jp/collections/powerstation