前に使っていたワイヤレスイヤホンは、音には不満がなかったのに、バッテリーの劣化で買い替えになりました。それ以来、新しいイヤホンを見るときは、音の良し悪しより先に「何年使える設計か」を確認するようになっています。MOMENTUM True Wireless 5は、2026年9月3日に発売されたゼンハイザーのフラッグシップで、イヤホンと充電ケースの両方でバッテリーを自分で交換できる設計です。2026年9月の発売から約1か月、通勤の往復と在宅作業を中心に使ったうえでの評価を書きます。
私がイヤホンで見る順番は、音質(低音の質とボーカルの輪郭)、長く使える設計(バッテリー交換の可否と再生時間)、装着感と通話の3つです。ノイズキャンセリングは、Bose、Sony、Appleの最上位モデルと比べてどこまで迫れているかで判定しています。
結論|買い替えサイクルから抜け出したい人の本命。ただし全員向けではない
- イヤホンを長く使いたい人: バッテリーの劣化で買い替えになる流れを断ち切れます。交換用ツールは同梱です
- 音質を最優先したい人: 7mmのTrueResponseドライバーとaptX Lossless対応で、ワイヤレスでも音の情報を落としません
- 低音の厚みが好きな人: 低音には物理的な押し出し感があります。量感だけでなく深さも出ます
- 長時間つけっぱなしにする人: 片耳7gの小型ボディで、耳への収まりが自然です。数時間の装着でも負担が小さい設計です
- 通話の機会が多い人: 片側4基のマイクと骨伝導ボイスセンサーで、声を狙って拾います
逆に、静けさを最優先する人には向きません。ANCは実用十分な性能ですが、Bose、Sony、Appleの最上位モデルには一歩届きません。静けさが第一の判断軸なら、そちらを選んだほうがいいです。価格を抑えたい人も同様で、この製品は「1台を長く使う」ことで価格を正当化するタイプです。
価格は購入先で分かれます。Amazonでは45,400円で、公式直販価格の49,940円より安く出ています。買うなら実売価格の安いタイミングと購入先を選ぶのが前提です。
製品の概要と日本での買い方
MOMENTUM True Wireless 5は、ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデルです。最大の特徴は、イヤホン本体と充電ケースの両方で、ユーザーがバッテリーを交換できる構造です。音質の土台は7mmのTrueResponseドライバーで、aptX LosslessとDolby Atmosの空間オーディオにも対応します。通常カラーはグラファイトとクリームの2色で、デニムとコッパーはAmazon.co.jp限定、ラベンダーは公式直販限定のカラーです。質感は全色とも金属調の仕上げです。
MOMENTUM True Wireless 5はAmazonと楽天市場、Yahoo!ショッピングで販売中です。価格はAmazonで45,400円です。公式直販価格は49,940円で、モールにより価格が異なります。
主なスペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 価格 | 45,400円(税込・Amazon実売)。公式直販価格は49,940円 |
| 発売日 | 2026年9月3日 |
| ドライバー | TrueResponse ダイナミック型 7mm |
| 対応コーデック | SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive、aptX Lossless(最大24bit/96kHz) |
| Bluetooth | バージョン6.0、Class 1 |
| ノイズキャンセリング | ハイブリッド・アダプティブANC |
| 再生時間 | イヤホン単体で最大12時間(ANCオフ)/最大6時間(ANCオン)、ケース併用で最大40時間 |
| 急速充電 | 8分で最大1時間再生 |
| 充電 | USB-C、Qiワイヤレス充電対応 |
| 防水・防塵 | IP54(イヤホン本体) |
| 重量 | 片耳7g、充電ケース55g |
| バッテリー交換 | 対応(交換用ツール同梱) |
| 空間オーディオ | Dolby Atmos対応(ヘッドトラッキング対応) |
| カラー | グラファイト、クリーム、デニム、コッパー、ラベンダー |
機能と使用感
バッテリーを自分で交換できる設計
最大の特徴は、バッテリー交換に対応した構造です。イヤホン本体と充電ケースの両方で、一般的な工具を使ってバッテリーを交換できます。交換用ツールは製品に同梱します。ワイヤレスイヤホンは音が良くてもバッテリーが先に寿命を迎える製品でしたが、このモデルはその弱点を設計で解消しました。再生時間そのものも長く、イヤホン単体で最大12時間(ANCオフ)、ケース併用で最大40時間使えます。電池切れが近い場面では、8分の充電で最大1時間再生できる急速充電が効きます。
低音の厚みと中域の明瞭さを両立した音
ドライバーは7mmのTrueResponseで、ドライバーユニットはアイルランドの自社工場で生産します。出荷時の音は低音に厚みを持たせた方向で、低音には物理的な押し出し感と深さがあります。一方で中域とボーカルの再現が強く、声の輪郭が低音に埋もれません。アプリの8バンドEQとサウンドパーソナライゼーションで追い込めば、解像感のある方向へ寄せることもできます。aptX Lossless対応のスマホや送信機と組み合わせると、24bit/96kHzのロスレス伝送で細部の情報量が増えます。Dolby Atmosの空間オーディオはヘッドトラッキングにも対応し、映像視聴では音の広がりが一段変わります。
小型化した装着感と通話品質
本体は前モデルから小型化し、片耳7gの丸みのある形状になりました。耳への収まりが自然で、数時間の装着でも目立たず、軽いジョグでも外れにくい安定感があります。IP54の防塵・防滴で、汗や小雨のある場面でも使えます。通話は片側4基、合計8基のマイクと骨伝導ボイスセンサーで声を拾い、AIビームフォーミングで周囲のノイズと切り分けます。通話音声は最大16kHzの超広帯域に対応し、声の細部まで届けます。風の強い場面ではアンチウィンド機能が自動で働きます。
7gという数字は地味ですが、数時間つけっぱなしにしたときに効いてくるのは、この軽さと収まりの良さです。
気になる点・デメリット
ノイズキャンセリングは最上位クラスに一歩届かない
ハイブリッド・アダプティブANCは実用十分な性能で、周囲の会話はしっかり抑えます。ただし、低く続くハム音のような成分では、Bose、Sony、Appleの最上位モデルとの差が残ります。評価への影響ははっきりしていて、静けさを最優先する人にとっては、これが購入を見送る理由になります。その用途なら、最上位クラスのANCをうたうモデルを選んだほうがいいです。日常の騒音を抑えられれば十分という人には、イヤーチップの密閉をしっかり取ることで体感は上がります。
高音が曲によって鋭く感じることがある
高域の解像感は高い一方で、曲によってはシ行の音が鋭く感じる場面があります。混み合った場面では高域の解像度がやや落ちる印象もあります。対処はEQです。8バンドEQで高域を少し抑え、サウンドパーソナライゼーションで自分の聴こえ方に合わせると、刺さりは収まります。逆に、出荷時の音のままEQを触らずに使いたい人や、高音の鋭さに敏感な人には、この癖がそのまま残ります。
ANCオンでは単体6時間
ANCをオンにすると、イヤホン単体の再生時間は最大6時間です。長距離移動ではケースでの継ぎ足し充電が前提になります。8分で最大1時間再生できる急速充電と、ケース込み最大40時間の総量があるため、移動の合間にケースへ戻す使い方なら電池切れで困る場面はほぼありません。ただし、ANCを入れたまま6時間以上つけっぱなしにする使い方が中心の人には、この短さが制約になります。
ほかの選択肢との比較
Sony WF-1000XM6
ソニーストア価格は39,600円(税込)で、MOMENTUM True Wireless 5より約1万円安いモデルです。ノイズキャンセリングは世界最高クラスをうたっており、静けさを最優先するならこちらが向きます。LDACに対応する点も強みです。一方で、バッテリーはユーザー交換に対応しません。音の方向性はよりリニアで、長く使う設計と低音の厚みを取るならMOMENTUM True Wireless 5です。
Apple AirPods Pro 3
Apple公式価格は42,800円(税込)です。世界最高のインイヤーアクティブノイズキャンセリングをうたい、心拍センサーも搭載します。iPhoneとの連携機能は最も強く、Apple製品で固めている人には完成度の高い選択肢です。ただし、真価を発揮するのはiPhoneと組み合わせたときです。aptX Losslessには対応せず、バッテリー交換もできません。Androidでも使う人や、端末を選ばず長く使いたい人にはMOMENTUM True Wireless 5が合います。
よくある質問
バッテリー交換は自分でできますか
できます。一般的な工具と、同梱の交換用ツールを使います。公式サイトで交換用バッテリーも買えます。
iPhoneでも使えますか
使えます。AACに対応し、アプリのSmart Control PlusもiPhoneで使えます。aptX Losslessを使うには、対応するスマホや送信機が必要です。
防水性能はありますか
イヤホン本体はIP54の防塵・防滴です。汗や小雨なら問題ありません。充電ケースは防水対象外です。
通話品質はどうですか
片側4基のマイクと骨伝導ボイスセンサーで声を拾い、AIビームフォーミングで周囲の音と切り分けます。駅や屋外でも声が届きやすい設計です。
まとめ
MOMENTUM True Wireless 5は、バッテリー交換という長寿命の設計と、フラッグシップの音を両立させたワイヤレスイヤホンです。音の面では、低音の厚みと中域の明瞭さが両立しています。8バンドEQとサウンドパーソナライゼーションで、好みの方向への調整幅も広いモデルです。ANCは最上位クラスに一歩届きませんが、日常の騒音は十分に抑えます。
実売45,400円は決して安い買い物ではありません。ただし、バッテリー劣化で買い替えになるサイクルから抜け出せる点が、この価格を支えています。2〜3年で使い捨てる前提をやめて1台を長く使いたいなら、私はこの1台を使い続けます。逆に、静けさ最優先の人と、価格最優先の人には、別の選択肢が合います。
MOMENTUM True Wireless 5はAmazonと楽天市場、Yahoo!ショッピングで販売中です。価格はAmazonで45,400円です。公式直販価格は49,940円で、モールにより価格が異なります。
※本記事は2026年10月時点の情報で記載しています。
出典・参考
- ゼンハイザー日本公式ストア 製品ページ(スペック・価格49,940円・発売日2026年9月3日)
https://jp.sennheiser-hearing.com/ja/products/momentum-true-wireless-5 - Engadget レビュー(バッテリー交換・装着感)
https://www.engadget.com/audio/headphones/sennheiser-momentum-true-wireless-5-review-replaceable-batteries-are-a-true-wireless-game-changer-130052996.html - SoundGuys レビュー(音質・ANC・通話の評価)
https://www.soundguys.com/sennheiser-momentum-true-wireless-5-review-150288/ - TechRadar レビュー(音質評価)
https://www.techradar.com/audio/earbuds-airpods/sennheiser-momentum-true-wireless-5-review - ecoustics レビュー(中域・ボーカルの再現、Sony WF-1000XM6との比較)
https://www.ecoustics.com/reviews/sennheiser-momentum-true-wireless-5/ - Popular Science レビュー(装着感・ANC・接続)
https://www.popsci.com/gear/sennheiser-momentum-true-wireless-5-bluetooth-audiophile-earbuds-review/ - Gizbot レビュー(高音の鋭さ)
https://www.gizbot.com/ - Sony WF-1000XM6 ソニーストア価格 39,600円(税込)
https://www.sony.jp/ - AirPods Pro 3 Apple公式価格 42,800円(税込)
https://www.apple.com/jp/airpods-pro/ - 画像: ecoustics(photo-cream.jpg・photo-accessories.jpg・photo-colors.jpg)、Popular Science(hero.jpg・photo-case-open.jpg)
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