海外では使えるのに日本では使えない スマートウォッチの健康機能は国で違う(心電図・血圧・睡眠時無呼吸)

海外では使えるのに日本では使えない スマートウォッチの健康機能は国で違う(心電図・血圧・睡眠時無呼吸) ガジェット

目次
  1. なぜ国で違うのか:承認されて初めて使える機能
  2. 心電図:日本で使えるメーカーと、使えないメーカー
  3. 血圧:数値を測る時計と、パターンで知らせる時計
  4. 睡眠時無呼吸の通知:Apple Watchは日本対応
  5. 買う前に確認すること
  6. よくある質問
  7. まとめ

海外のレビューで見たスマートウォッチの健康機能が、日本で買った同じ時計には入っていない。そんな食い違いは、センサーの性能の差ではなく、国の承認制度の差で起きます。心電図や血圧、睡眠時無呼吸の通知は、医療に関わる機能として国ごとに承認を受けて初めて使えるようになります。承認されていない国では、アプリ自体が提供されません。

結論を先に書くと、日本での対応は次の3点に分かれます。

  • 心電図は、Apple Watch・HUAWEI・Garminが日本で使える一方、Galaxy Watchは日本では公式に使えない
  • 血圧の数値を腕で測れるのは日本では限られ、Apple Watchは数値を測らず高血圧パターンの通知で知らせる
  • 睡眠時無呼吸の通知はApple Watchが日本で使える一方、Galaxy Watchは日本での提供は発表されていない

順に見ていきます。

なぜ国で違うのか:承認されて初めて使える機能

スマートウォッチの健康機能には、2つの層があります。心拍数や睡眠時間、歩数の記録は、健康管理の目安として幅広く使えます。もう1つの層が、心電図の記録や不整脈の兆候の検出、血圧の測定、睡眠時無呼吸の可能性の通知です。こちらは医療機器としての扱いになり、国ごとに承認が必要です。

承認の単位は国ごとです。ある国で承認されていても、別の国では承認されていなければ、その国では機能が提供されません。メーカーが国別の一覧を出し、一覧にない地域ではサービスを提供しないと明記している例もあります。海外で買った時計を持ち込んでも、日本の承認とは別問題です。買う前に確認すべきは、時計の性能表ではなく「日本でその機能が提供されているか」です。

心電図:日本で使えるメーカーと、使えないメーカー

心電図は、対応が最もはっきり分かれる機能です。

Apple Watchは、2021年1月にiOS 14.4とwatchOS 7.3の提供とともに、日本でも心電図アプリが使えるようになりました。対象はSeries 4以降で、SEシリーズは対象外です。不規則な心拍の通知はSeries 3以降で使えます。心電図アプリは家庭用の心電計プログラムとして承認を受けたもので、記録した波形から洞調律か心房細動の兆候かを分類して通知します。医師による診断の代わりになるものではありません。

HUAWEIは、心電図アプリの対象をGT Proシリーズ、WATCHシリーズ、Dシリーズとしています。日本では、GT 7 Proの心電図アプリケーションがプログラム医療機器として承認されています。同じGT 7シリーズでも、無印のGT 7は心電図アプリの対象ではなく、心拍数の継続的なモニタリングと心拍数の異常を知らせるアラートを受け持ちます。シリーズ名だけでは対応は分からず、Proか無印かで分かれます。GT 7とGT 7 Proの違いの詳細は、セカラボのGT 7とGT 7 Proの比較記事も参考にしてください。HUAWEIの心電図アプリは18歳以上の成人の使用を意図し、心房細動以外の不整脈は検出できず、心拍数が50〜110bpmの範囲でだけ心房細動の兆候を検出します。

Garminの心電図アプリも、日本で使える地域に入っています。対応するのは最新のソフトウェアを入れた一部のスマートウォッチで、記録した心拍リズムから心房細動の兆候を確認する補助機能です。対象年齢は22歳以上です。

一方、Galaxy Watchの心電図と血圧測定は、Samsung Health Monitorアプリで提供される機能で、アプリが提供される国と地域の一覧に日本は入っていません。一覧にない地域ではサービスを提供しないと、メーカーの案内に明記されています。Galaxy Watchのハードウェアに心電図のセンサーがあっても、日本では公式の状態では使えません。

心電図の結果画面

血圧:数値を測る時計と、パターンで知らせる時計

血圧は、「数値を測る」と「高血圧の可能性を知らせる」の2つの形に分かれます。混ぜると選び間違えます。

数値を腕で測れる日本向けの例が、HUAWEI WATCH D2です。バンド部分が手首を加圧するカフの役割を果たし、自動電子血圧計として管理医療機器の認証を受けています。認証番号は306AGBZI00008000で、認証日は2024年11月18日です。自動血圧測定のプランを立てて、睡眠中の血圧の推移も確認できます。血圧計としての認証を受けた時計という点で、他のスマートウォッチとは位置づけが違います。

Galaxy Watchの血圧測定は、海外ではSamsung Health Monitorアプリで提供されています。仕組みは、袖帯式の血圧計で測った値で時計を校正し、その後は時計だけで測る形で、28日ごとに再校正が必要です。ただし日本ではアプリ自体が提供されていないため、この使い方も公式にはできません。

Apple Watchは、血圧の数値を測りません。代わりに「高血圧パターンの通知」があります。光学式心拍センサーから得た血流のパターンを30日間にわたって分析し、高血圧のパターンが一貫して検出された場合に通知します。日本でも使えるようになりました。対象はSeries 9以降とUltra 2以降で、SEシリーズは対象外です。30日間のデータを分析し、22歳未満の人、高血圧と診断されたことがある人、妊娠中の人は対象外です。通知は、血圧計での記録や医師への相談を促すためのもので、血圧の数値そのものを示すものではありません。

血圧の測定結果画面

睡眠時無呼吸の通知:Apple Watchは日本対応

睡眠時無呼吸の通知は、寝ている間の呼吸の乱れから、中等度から重度の睡眠時無呼吸の可能性を知らせる機能です。

Apple Watchの睡眠時無呼吸の通知は、米国、EU、日本を含む150を超える国と地域で利用可能と案内されています。加速度センサーで睡眠中の呼吸パターンの中断に関連する手首のわずかな動きを検出し、「呼吸の乱れ」という指標で記録します。30日ごとにデータを分析し、中等度から重度の睡眠時無呼吸の一貫した兆候が見られる場合に通知します。対象はSeries 9以降、Ultra 2以降、SE(第3世代)で、18歳以上で睡眠時無呼吸と診断されたことがない人が対象です。診断そのものではなく、医師への相談を促すための通知です。

Galaxy Watchの睡眠時無呼吸の機能は、日本での提供は発表されていません。日本のGalaxy Watchでも、睡眠スコアや睡眠中の血中酸素、皮膚温度、いびきの検出といった睡眠の記録自体は使えます。

買う前に確認すること

健康機能を目当てにスマートウォッチを選ぶときは、買う前に次の5点を確認してください。

  • 使いたい機能が、日本で提供されているか。海外の紹介記事の機能一覧をそのまま当てはめないこと
  • 対応機種か。同じシリーズでも、Proのみ対応で無印は非対応という分かれ方があること
  • 年齢や対象外の条件に当てはまらないか。心電図や高血圧パターンの通知には年齢条件と対象外の条件があること
  • 海外版や並行輸入品は、日本の承認とは別扱いになること。サービス提供国で購入した時計とスマホでのみ動作し、提供されていない国で初期化やアプリの再インストールをすると制限される場合があること
  • 通知や記録は診断ではないこと。兆候の通知を受けたら、血圧計での記録や医師への相談につなげること

モール別の価格では、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングのいずれも49,800円(税込)を確認しています。買う直前に各モールの商品ページでその時点の価格と在庫を確認してください。

よくある質問

心電図が測れれば、心臓の病気が分かりますか?

分かりません。心電図アプリは、記録した波形から洞調律か心房細動の兆候かを分類して通知する補助機能です。心房細動以外の不整脈は検出できず、測定した時点の結果だけを示します。医師による診断の代わりにはなりません。気になる結果が出たら、医師への相談につなげてください。

海外で買った時計は、日本でそのまま使えますか?

機能によっては使えません。Samsung Health Monitorアプリは、サービスが提供されている国と地域で購入した時計とスマホでのみ動作し、提供されていない国で初期化やアプリの再インストールをすると制限される場合があると案内されています。海外版の購入を検討する場合は、使いたい機能が日本の提供対象に入っているかを先に確認してください。

血圧の数値と高血圧パターンの通知はどう違いますか?

血圧の数値は、カフで加圧して測った収縮期と拡張期の値です。HUAWEI WATCH D2のように、管理医療機器として認証を受けた時計が測ります。高血圧パターンの通知は、Apple Watchが光学式心拍センサーのデータから血流のパターンを分析し、高血圧の可能性を知らせるもので、数値は示しません。血圧の管理を数値でしたい場合は、数値を測る時計か、別途の血圧計が必要です。

睡眠時無呼吸の通知が出たら、どうすればよいですか?

通知は診断ではありません。通知からは、医療機関に相談するときに見せられる資料を開けます。いびきや日中の眠気など、身に覚えのある症状と合わせて、医師への相談につなげてください。すでに睡眠時無呼吸と診断された人は、通知機能の対象外です。

まとめ

スマートウォッチの健康機能は、センサーの有無ではなく、国の承認の有無で使える範囲が決まります。日本で心電図を使いたい場合は、Apple Watch、HUAWEIのPro系・WATCH系・D系、Garminの対応機種が選択肢になります。Galaxy Watchは、海外では心電図と血圧測定が提供されていても、日本では公式に使えません。血圧の数値を腕で測りたい場合は、管理医療機器として認証を受けた時計を選ぶ必要があり、Apple Watchの高血圧パターンの通知は数値の代わりにはなりません。睡眠時無呼吸の通知は、Apple Watchが日本で使えます。

買う前に確認するのは、製品名ではなく「日本で、その機能が、その機種で」提供されているかです。この3点がそろって初めて、海外のレビューで見た機能が自分の時計でも使えます。

※本記事は2026年11月時点の情報で記載しています。

出典・参考
  • Apple(日本)ニュースルーム「Apple Watchの心電図Appと不規則な心拍の通知機能が日本で利用可能に」(2021年1月。iOS 14.4・watchOS 7.3で日本でも利用可能に。心電図はSeries 4/5/6、不規則な心拍の通知はSeries 3以降。家庭用心電計プログラム・家庭用心拍数モニタプログラムとして厚生労働大臣の承認を受けた管理医療機器): https://www.apple.com/jp/newsroom/2021/01/ecg-app-and-irregular-rhythm-notification-coming-to-apple-watch/
  • Apple(日本)ニュースルーム「Apple、画期的な健康機能を発表」(2024年9月。睡眠時無呼吸の通知は米国、EU、日本を含む150を超える国や地域で利用可能になる予定。加速度センサーによる「呼吸の乱れ」の指標、30日ごとの分析、中等度から重度の睡眠時無呼吸の一貫した兆候で通知): https://www.apple.com/jp/newsroom/2024/09/apple-introduces-groundbreaking-health-features/
  • Appleサポート「Apple Watchの高血圧の通知について」(高血圧パターンの通知の仕組み。30日間の評価期間、Series 9以降・Ultra 2以降、SEシリーズは対象外、22歳以上・妊娠していないこと・高血圧と診断されたことがないことが条件): https://support.apple.com/fr-fr/117296
  • Appleの心電図アプリの使用説明書(心電図アプリはApple Watch Series 4以降に対応し、SEシリーズは対象外): https://www.apple.com/legal/ifu/ecg/ecg-ifu-2-it_IT.pdf
  • Wareableの心電図ガイド記事(アイキャッチ・本文画像の出典。Apple Watch Ultraの心電図測定画面、HUAWEI WATCH GT 5 Proの心電図結果画面): https://www.wareable.com/health-and-wellbeing/ecg-heart-rate-monitor-watch-guide-6508
  • WareableのHUAWEI WATCH D2レビュー記事(本文画像の出典。HUAWEI WATCH D2の血圧測定結果画面): https://www.wareable.com/health-and-wellbeing/huawei-watch-d2-review
  • HUAWEI サポート 日本「HUAWEIの心電図(ECG)アプリで心電図をとる」(ECGアプリは医療機器。18歳以上の成人の使用を意図。心房細動の兆候を補助的に検出。心房細動以外の不整脈は検出できない。50〜110bpmの範囲でだけ検出。対象はGT Proシリーズ・WATCHシリーズ・Dシリーズ・Ultimateシリーズ): https://consumer.huawei.com/jp/wearables/ecgdescription/
  • HUAWEI サポート「List of overseas countries/regions where the ECG feature is supported」(心電図機能の国別分類。日本は「Locally certified medical」に分類): https://consumer.huawei.com/kh/support/content/en-us15893330/
  • ファーウェイ・ジャパン プレスリリース「HUAWEI WATCH GT 7 Pro/GT 7」(2026年10月29日発売。GT 7 Proは日本でプログラム医療機器として承認された心電図アプリケーションを利用でき、心房細動の兆候の検出を補助。GT 7は心拍数の継続的なモニタリングと心拍数の異常を知らせるアラート機能に対応): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000642.000024671.html
  • HUAWEI 日本「HUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計を購入」(FAQ。WATCH D/D2は自動電子血圧計で、管理医療機器として医療機器認証を取得。認証番号306AGBZI00008000、認証日2024年11月18日): https://consumer.huawei.com/jp/offer/huawei-wearable/watch-d2-buy/
  • Samsung Health Monitor(Samsung公式の国別案内ページ。心電図・血圧の提供国一覧に日本は含まれず、一覧にない地域ではサービスを提供しない旨を明記。サービス提供国で購入した時計とスマホでのみ動作し、非提供国での初期化・再インストールで制限される場合がある旨も明記): https://www.samsung.com/ie/apps/samsung-health-monitor/
  • Garminの心電図アプリの地域対応(Garminの地域対応一覧に日本が含まれる。日本での提供開始は2025年4月との国内報道あり): https://www.zaikei.co.jp/amp/article/20261011/873097.html