CMF by Nothingから、ブランド初のポータブルスピーカーが2機種同時に登場しました。小型の「Speaker S」が9,800円、大型の「Speaker M」が17,800円(いずれも公式価格)。どちらも牛乳パックのような形で、前面パネルとダイヤルを付け替えて見た目を変えられるのが特徴です。
結論から言うと、持ち出して使うならSpeaker S、家の中でしっかり聴くならSpeaker Mです。公式価格での価格差は8,000円ありますが、選ぶ基準は音の好みよりも「どこで使うか」が先に来ます。この記事では、2機種の違いと選び方を整理します。私がこの2機種でまず見るのは、ドライバーの構成と重さです。ここがそのまま使い道の違いになっています。
CMF Speaker SとMの全体像|小さく運べるSと、家で聴くM
2機種の姿勢ははっきり分かれています。Speaker Sはストラップやカラビナを付けられる小型機で、外へ持ち出す前提の作りです。Speaker Mは取っ手と一体になった据え置き寄りの機種で、部屋の中で使う前提です。
Speaker Sは130.5×85×44mmで334g。片手でつかめる大きさで、カバンの隙間に入ります。45mmのフルレンジドライバー1発に、パッシブラジエーターを2基組み合わせた構成です。最大出力は10W RMSで、小さいなりに音の厚みを持たせています。
Speaker Mは220×85×54mmで602g。70mmウーファーと16mmツイーターの2ウェイ構成で、最大出力は35W RMSです。低音と高音を別のドライバーで受け持つため、音の分離はMの方が上です。
カラーはどちらもホワイト、ダークグレー、オレンジ、ターコイズの4色です。注意点として、箱の中身は本体が中心で、充電用のUSB-Cケーブルは入っていません。手持ちのケーブルでまかなえる人は多いはずですが、購入直後にそのまま使いたい人はケーブルを1本用意しておくと安心です。
CMF Speaker SとMの選び方|4つのポイント
ポイント1. 置き場所と大きさでの選択
最初に決めるのは、どこで聴くかです。
Speaker Sはアウトドアや旅行先、キッチンや洗面所のような「移動しながら使う場所」に向きます。IP68に対応し、水深1.5mで最長30分まで耐える仕様なので、水回りでも気兼ねなく置けます。ただし筐体は硬いプラスチック製で、落下に強い作りではありません。防水だからといって岩場に投げ置くような使い方は避けた方が無難です。
Speaker Mはリビングやデスクのような「置く場所が決まっている使い方」に向きます。602gは持ち運べない重さではありませんが、毎日カバンに入れる大きさでもありません。取っ手が一体になっているので、部屋からベランダへ、といった家の中の移動には困りません。私が持ち歩き用に1台だけ選ぶなら、迷わずSpeaker Sです。
ポイント2. 音の作りはドライバー構成の違い
音の傾向は、ドライバーの構成からそのまま読み取れます。
Speaker Sは中音域が中心で、声や楽器の輪郭がはっきり出ます。ボーカルやポッドキャストの聴き取りやすさはこの価格帯では上々で、サイズの割に音量も取れます。一方で低音は量で押すタイプではなく、ウルトラベースモードを入れると低音の代わりにほかの帯域が痩せて聞こえます。
Speaker Mは2ウェイらしく音のバランスが取れていて、中音域が前に出るため声が明瞭です。低音はSより量がありますが、床を震わせるような重低音を期待する機種ではありません。両機種に共通するのは、音量を上げていくと後半で低音が引っ込み、音が痩せてくる点です。広い場所で大音量を出す用途なら、どちらも本命にはなりにくいです。
音の調整はNothing Xアプリから行えます。EQプリセットはバランス、低音強調、高音強調、ボイスの4種で、自分で帯域を動かすカスタムEQも用意されています。出力とEQを自動で最適化するアダプティブチューニング、低音を持ち上げるウルトラベース、音の広がりを出すワイドサウンドステージの各モードも両機種共通です。
ポイント3. 着せ替えは「入れ替え」と「3Dプリント」の2通り
この2機種の顔は、見た目のカスタマイズです。フロントパネルと上部のダイヤルは取り外しができ、色の違うパーツに入れ替えられます。ダイヤルは再生や曲送り、音量の操作を兼ねていて、長押しにはウルトラベースとワイドサウンドステージの切り替えを割り当てられます。
ここは誤解しやすいところなので先に書いておくと、交換用パネルやダイヤルの単品は、今のところ売られていません。入れ替えができるのは、2台持っている場合にパーツを交換するケースです。もう1つの道が3Dプリントで、公式の3Dデザインファイルが公開されているので、自分でカスタムパーツを作って取り付けられます。「買って着せ替える」ではなく「作って着せ替える」まで含めた楽しみ方として見ておくのが正確です。
ポイント4. Auracastのパーティーモードと、ステレオモードは別物
接続まわりは両機種共通で、Bluetooth 6.0、NFCのワンタッチペアリング、Google Fast Pair、Microsoft Swift Pair、2台同時接続のデュアル接続に対応します。USB-Cでの有線接続も可能で、遅延は60ms未満と公表されているので、動画やゲームでも音のズレを気にせず使えます。外部電源につないでおけば、再生側の再接続で自動的に起動するウェイクアップ機能もあります。
複数台の連携には2種類あります。ステレオモードは同じモデルを2台そろえて左右に分ける使い方です。Speaker SとMを混ぜてステレオにはできないので、買い増しを考える場合は同じモデルを選んでください。
もう1つのパーティーモードは、Bluetooth Auracastを使った同期再生です。Auracastに対応するスピーカーなら他社の製品も含めて2台以上で同じ音を流せるため、友人のスピーカーと一緒に鳴らす、といった広がり方があります。
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バッテリーは両機種とも最大18時間の連続再生(ウルトラベースオン、音量50%時)で、10分の急速充電で最大1時間分の再生が戻ります。容量の違い(Speaker Sが2,600mAh、Speaker Mが4,900mAh)はありますが、公表されている再生時間は同じです。
CMF Speaker SとMの取捨選択|スペック比較と向いている人
| 項目 | Speaker S | Speaker M |
|---|---|---|
| 価格(公式・税込) | 9,800円 | 17,800円 |
| Amazon価格(税込) | 9,980円 | 11,980円 |
| ドライバー構成 | 45mmフルレンジ+パッシブラジエーター2基 | 70mmウーファー+16mmツイーター |
| 最大出力 | 10W RMS | 35W RMS |
| 周波数特性 | 70Hz〜20kHz | 60Hz〜20kHz |
| サイズ | 130.5×85×44mm | 220×85×54mm |
| 重さ | 334g | 602g |
| バッテリー容量 | 2,600mAh | 4,900mAh |
| 持ち運び | ストラップ・カラビナ取付可 | ハンドル一体型 |
整理すると、選び方はこうなります。
Speaker Sが向いているのは、キャンプや旅行にスピーカーを持っていく人、水回りで音楽やラジオを流したい人、まず1万円未満で試したい人です。音の絶対量よりも、軽さと置き場所を選ばない気軽さが価値になります。
Speaker Mが向いているのは、リビングや自室の据え置きスピーカーを探している人、動画や配信の声を聞き取りやすくしたい人、将来2台そろえてステレオで聴きたい人です。公式価格で8,000円の価格差は、2ウェイ構成と出力の余裕に払う分だと考えると判断しやすいです。
購入先で見ると、事情が少し変わります。AmazonではSpeaker Mが11,980円で販売されていて、公式価格より5,820円安く、Speaker Sの9,980円との差は2,000円まで縮みます(2026年11月4日確認)。聴く場所がリビングに決まっているなら、AmazonのMは公式価格で考えていたときより手を出しやすい選択肢です。逆にSpeaker Sは、公式価格9,800円の方がAmazonより安くなっています。どちらの機種も、買う場所まで含めて比べてください。
私なら、置く場所が1つに決まっていない暮らしならSpeaker Sから入ります。334gなら置き場所をその日の都合で変えられますし、音の傾向も声中心のコンテンツと相性がいいからです。逆に、聴く場所がリビングに決まっているなら、迷わずSpeaker Mです。
まとめ|最初の一台の決め手は使い方
CMF Speaker SとMは、音の好みで悩む2機種ではありません。持ち出して使うか、家で聴くか。使い方を先に決めれば、答えはほぼ自動で決まります。そのうえで、着せ替えやAuracastのような「買った後に広がる楽しみ」が、この2機種をほかのポータブルスピーカーと分けています。
カラーは4色あるので、置く場所の色味に合わせて選んでください。


出典・参考
- Nothing Technology Japan プレスリリース「CMF初となるポータブルスピーカー『CMF Speaker S』および『CMF Speaker M』を発売」(PR TIMES、2026年10月12日): 価格、発売日、ドライバー構成、機能全般
- CMF by Nothing 公式サイト 製品ページ(Speaker S/Speaker M)および公式コレクションページ: 価格、カラー、販売状況、交換パーツの単品販売の有無
- Amazon.co.jp「CMF Speaker S」商品ページ(ASIN B0J9M3Q4C9)/「CMF Speaker M」商品ページ(ASIN B0J9M5N5CG): Amazonでの販売価格(2026年11月4日確認)
- AV Watch「Nothing、牛乳パック風デザインの『CMF Speaker』2機種」(2026年10月13日): 寸法、重量、バッテリー容量
- Gizmodo US「CMF Speaker M Review」: 使用感、Nothing Xアプリの操作感、実機写真
- GSMArena「CMF Speaker S unboxing and hands-on」: Speaker Sの使用感、同梱物、交換パーツの販売状況
- TechJio「CMF Speaker S & Speaker M review」: 両機種の音の傾向と筐体の作り
- SoyaCincau「Nothing’s CMF Speakers」: アイキャッチ画像(メーカー提供ビジュアル)
※本記事は2026年11月4日時点の情報で記載しています。