オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホンの旗艦が世代交代します。ATH-TWX9MK3は2026年11月20日発売で、直販価格は41,800円です。前モデルのATH-TWX9MK2は2025年7月発売で、公式オンラインストア価格は38,500円でした。公式価格どうしの差は3,300円です。
この記事の要点は3つです。
1つめは、ノイズキャンセリングの考え方が変わった点です。MK2は使う人が設定する最適化が中心でしたが、MK3は装着状態を検知してフィルター特性を自動で合わせる「フィット・アダプティブ」を載せています。
2つめは、対応コーデックが広がった代わりに、電池の持ちがコーデックで大きく変わる点です。見出しの再生時間はAAC/SBC接続時の値で、LHDC-V5では単体6時間まで短くなります。
3つめは、買い替えの判断が価格差の小ささではなく、MK2の弱点だった電池とハイレゾ対応をどこまで埋めるかで決まる点です。
ATH-TWX9MK3はオーディオテクニカ公式オンラインストアで予約を受け付けています。直販価格は41,800円(税込)です。発売は2026年11月20日です。
世代差の全体像、変わったのはNCとコーデックと電池
| 項目 | ATH-TWX9MK3 | ATH-TWX9MK2 |
|---|---|---|
| 発売日 | 2026年11月20日 | 2025年7月11日 |
| 公式系の価格(税込) | 直販41,800円 | 公式ストア38,500円 |
| カラー | ブラック/ベージュ | ブラック/ホワイト |
| ノイズキャンセリング | フィット・アダプティブ(装着検知で自動調整)+プリセット3種 | パーソナライズ/オプティマイズ+プリセット5種 |
| Bluetooth | Ver.6.0 | Ver.5.2 |
| 対応コーデック | LHDC-V5/LDAC/LC3/AAC/SBC | aptX Adaptive/aptX/AAC/SBC |
| 再生時間(NCオン・単体) | 最大11時間(AAC/SBC時) | 最大6時間 |
| 再生時間(NCオン・ケース併用) | 最大33時間(AAC/SBC時) | 最大18.5時間 |
| ドライバー | Pure Motion Driver Gen2 φ5.8mm | Pure Motion Driver φ5.8mm |
| 出力音圧レベル | 107dB/mW | 105dB/mW |
| 重さ | 片側約5.1g/ケース約50g | 片側約5.5g/ケース約56.7g |
| 付属イヤーピース | 楕円形状2種×4サイズの計8種類 | ハイブリッドシリコン3種×4サイズの計12種類 |
| 防滴 | IPX4(イヤホン本体のみ) | IPX4(イヤホン本体のみ) |
表で目立つのは電池とコーデックです。ドライバーの口径や防滴は共通で、世代差は「つながり方」と「持ち」に集中しています。aptX系からLHDC-V5/LDACへ軸足が移ったため、使っている再生機器との相性も世代で変わります。Androidのハイレゾ対応機ではMK3の利点が出やすく、aptX Adaptive前提でそろえてきた人は、その前提がMK3では使えない点を確認してから予約してください。
装着で変わるNC、フィット・アダプティブの仕組み
MK2のNCは、検査音で装着状態を測るパーソナライズと、周囲の騒音レベルを測るオプティマイズを、使う人が場面ごとに適用する設計でした。プリセットは飛行機や電車など5種ありました。
MK3のフィット・アダプティブは、装着状態をリアルタイムに検知し、フィルター特性を自動で調整します。プリセットはTransit/Outdoor/Indoorの3種に整理され、その上に装着の最適化が常時乗る形です。耳の形や着け方のずれでNCの効果が変わる問題に、設定ではなく検知で答える世代です。S/N比が向上した最新のMEMSマイクも、MK2比という公式の説明でNC側の更新に含まれます。
通話中もNCとヒアスルーの切り替え(アンビエンスコントロール)が使える点はMK2から継続しています。外音取り込みは、ヒアスルーがアプリで10段階調整、トークスルーはワンアクションで音量を下げて声の帯域を取り込む方式で、NaturalとStrongの2種を使い分けます。
電池はコーデックで決まる、見出し値の条件
MK3の電池で先に押さえるのは条件です。公式の見出し値は、音楽再生時・AAC/SBC接続時の値で、NCオンで単体最大11時間、ケース併用で最大33時間です。MK2のNCオン単体6時間と比べると大きく伸びています。
ただしコーデックを上げると値は変わります。公式のコーデック別表(イヤホン単体・NCオン)では、LHDC-V5は6時間、LDACは7時間です。ハイレゾで聴く時間が長い人は、見出し値ではなくこの側の数字で使い方を組み立てる必要があります。買ってから「公称の半分しか持たない」と感じる典型は、この条件の見落としです。
| コーデック | NCオン(単体) | NCオフ(単体) |
|---|---|---|
| LHDC-V5 | 6時間 | 6時間 |
| LDAC | 7時間 | 9時間 |
| SBC/AAC | 11時間 | 15時間 |
| LC3 | 13時間 | 19時間 |
クイック充電は15分で約1.5時間再生(AAC接続・単体・NCオン時)です。充電時間はイヤホン約2.5時間、ケースはUSBで約3時間、ワイヤレスで約4時間です。ケースはQiワイヤレス充電に対応します。通話(HFP)はNCのオン・オフとも最大6時間です。
ドライバーはGen2、音の土台の更新範囲
ドライバーは新開発の「Pure Motion Driver Gen2」です。口径はMK2と同じφ5.8mmで、振動板はベリリウムコーティングの複合振動板(センタードームは高剛性、サブドームは高弾性)です。外磁型磁気回路とエッジマウント方式も引き継ぎ、出力音圧レベルは105dB/mWから107dB/mWへ上がっています。再生周波数帯域は10〜40,000Hzで共通です。
伝送帯域はコーデックで広がります。通常は20〜20,000Hz、LHDC-V5とLDACの96kHz時は10〜47,000Hz、LHDC-V5の192kHz時は10〜96,000Hzです。LE AudioとAuracast受信にも対応しますが、公式ページにはLE Audio関連機能は順次アップデートで対応予定と明記があります。発売日に全機能がそろう前提では予約しないでください。
通話は、イヤホン2カ所のMEMSマイクのビームフォーミングに、深層学習(DNN)を応用した環境ノイズリダクションを組み合わせます。MK2のQualcomm cVcからの置き換えで、通話設定はナチュラルモードとノイズリダクションモードの2択です。本体からマイクのミュート操作もできます。
楕円イヤーピースとキャビティフィット、装着側の変更点
装着は「アドバンスド・キャビティフィット」設計です。イヤーピースは同社のワイヤレスで初めて楕円形状になり、導管の長さが違う2種(Standard/Long)×4サイズ(XS/S/M/L)の計8種類が付属します。MK2の12種類からは数が減り、形で合わせる方向へ寄せた世代です。交換品はStandardがER-TW52、LongがER-TW53です。
本体は片側約5.1gで、MK2より少し軽くなりました。この差だけで買い替える理由にはなりませんが、ケースと合わせた携帯の軽さは日常の持ち出しで差が出ます。防滴はIPX4で、対象はイヤホン本体のみです。ケースを雨や汗にさらす前提の使い方は、両世代とも避けてください。
アプリ「Connect」では、サウンドスケープや、神経科学の知見に基づく「ニューロミュージック」4曲(MK3接続時のみ再生可)が使えます。感覚で選ぶ4ステップの「サウンドナビゲーター」や、グラフィックとパラメトリックの両イコライザーも備えます。マルチポイントは2台同時接続に対応しますが、LE Audioをオンにしたときは使えません。
予約の条件と発売前の試聴機会
公式オンラインストアでは、2026年11月27日23:59までに予約・購入するとオリジナルのミニポーチが付きます。対象は公式ストアだけで、1製品に1個、同梱発送で、なくなり次第終了です。モールで買う場合はこの特典が付かないため、価格だけでなく購入先の条件まで見て選んでください。
発売前に音を確認する機会は、本日2026年11月7日開催の「秋のヘッドフォン祭 2026」(ステーションコンファレンス東京、入場無料)の同社ブースです。MK3はここで初公開され、試聴できます。この価格の買い物で装着感が合うかどうかはスペック表では分からないため、行ける人は試聴で楕円イヤーピースの当たりを確認してから予約するのが確実です。
なお、MK2は生産完了品で、モールではセール価格が出る時期があります。公式価格どうしでは3,300円差でも、実際の支払額の差は時期によって大きく開きます。MK2の在庫が安く残っている間に買う選択と、電池とハイレゾ対応を持つMK3を定価で予約する選択は、どちらも成立します。
買い替えの分かれ目、MK2での困りごとの有無
MK2から買い替える理由が立つのは、次のどれかに当てはまる人です。NCオンの単体再生が6時間では足りず、AAC/SBC中心でも電池を持たせたい人。LDACやLHDC-V5で聴ける再生機器を持ち、MK2のaptX系では受けられなかった人。装着のたびにNCの効果にばらつきを感じ、検知で自動調整する仕組みに任せたい人です。
逆に、MK2の電池で困っておらず、aptX Adaptive対応の再生機器が中心なら、MK3へ移る利点は細くなります。セールで安くなったMK2をあえて選ぶ判断も間違いではありません。
新品で初めてこの価格帯を買う人は、MK3が素直な選択です。世代の新しい側に、電池・コーデック・Bluetooth 6.0がそろっています。予約は公式オンラインストアで受け付け中で、11月27日までの予約・購入にはミニポーチが付きます。発売日の2026年11月20日以降は、モールの取り扱いと価格も確認してから購入先を決めてください。
出典・参考
- オーディオテクニカ公式製品ページ「ATH-TWX9MK3」(2026年11月6日に本文確認。仕様・発売日・キャンペーン・試聴機会の正本)
- オーディオテクニカ公式プレスリリース(PR TIMES、2026年11月5日。発売と秋のヘッドフォン祭での初公開)
- AV Watch(2026年11月5日。直販価格の報道)
- オーディオテクニカ公式製品ページ「ATH-TWX9MK2」(2026年11月7日に本文確認。NC・電池・イヤーピースの正本)
- オーディオテクニカ公式製品ページ(グローバル)「ATH-TWX9MK2」(重量の仕様表)
※本記事は2026年11月8日時点の情報で記載しています。