前モデルのSoundcore Q30iで不満だったのは、電車の中でのノイズキャンセリングの効きがもう一歩だったことと、LDACが有線接続でしか使えなかったことです。後継モデルのQ31iが2026年10月21日に発売されたので、通勤と作業の毎日の相棒として買い替えて確かめました。発売日から約1週間、通勤の往復と作業中の音楽鑑賞に毎日使ったうえでの評価です。
私がヘッドホンで見る順番は、静けさ(通勤電車とカフェで効くか)、電池持ち(充電の手間が減るか)、装着感(2時間つけても疲れないか)の3つが先で、音質はその次です。この記事もその順番で判定しています。
結論|12,990円なら買い。ただし全員向けではない
- 通勤やカフェで音楽に集中したい人: ノイズキャンセリングは「ウルトラノイズキャンセリング 3.0」へ進化し、周囲の騒音を検知して低減します
- 充電の頻度を減らしたい人: バッテリーはノイズキャンセリングオンで最大50時間、オフで最大80時間持ち、10分の充電で最大10時間再生できます
- ワイヤレスでも音質にこだわりたい人: 40mmの二層振動板ドライバーで深みのある低音と原音に忠実な音を両立し、LDAC対応でワイヤレスでもハイレゾ音源を楽しめます
- 長時間つけても疲れにくい装着感を求める人: 楕円形のイヤーカップは2,000人以上の頭部データをもとに設計され、耳の形に自然に沿います
- スマートフォンとパソコンを行き来する人: Bluetooth 6.0とマルチポイント接続に対応します
逆に、有線でもノイズキャンセリングを使いたい人(飛行機で有線前提の人)と、iPhoneだけでLDACを目的に買う人には向きません。理由はデメリットの節で具体的に書きます。
価格の結論も先に言い切ります。12,990円なら買いです。ただし前モデルのQ30iは8,990円まで下がっています。差額の4,000円は、ノイズキャンセリングの進化とワイヤレスでのLDACに払う金額です。この2つを使わないなら、Q30iで十分だと考えます。褒めるにしても上限はあって、1万円台では強い部類ですが、3万円を超える上位モデルの静けさや音の解像度とは別物です。
製品の概要と日本での買い方
Anker Soundcore Q31iは、ベストセラーとなったSoundcore Q30iの後継モデルです。ノイズキャンセリングは「ウルトラノイズキャンセリング 3.0」へ進化し、ワイヤレスでハイレゾ音源を楽しめるLDACに対応したうえ、バッテリーはノイズキャンセリングをオンにしたまま最大50時間持ちます。カラーはブラック、オフホワイト、ピンクの3色で、本体とイヤーパッドの色が統一された展開です。
Anker Soundcore Q31iはAmazonと楽天市場、Yahoo!ショッピングで販売中です。価格は12,990円です。
主なスペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 価格 | 12,990円(税込) |
| 発売日 | 2026年10月21日 |
| ドライバー | 40mm 二層振動板(シルク+メタルセラミック) |
| ノイズキャンセリング | ウルトラノイズキャンセリング 3.0(4マイク適応型)、外音取り込み対応 |
| 対応コーデック | SBC、AAC、LDAC |
| バッテリー | ノイズキャンセリングオンで最大50時間、オフで最大80時間 |
| 充電 | 約2時間でフル充電、約10分の充電で最大10時間再生 |
| 接続 | Bluetooth 6.0、マルチポイント接続、Google Fast Pair |
| 本体サイズ | 約161×86×183mm |
| 重量 | 約267g |
| 通話 | 3マイク+AIノイズ除去 |
| 付属品 | 3.5mm AUXケーブル、トラベルポーチ、USB-Cケーブル |
| カラー | ブラック、オフホワイト、ピンク |
機能と使用感
電車の中でも、音楽だけが前に出てくる静けさ
ノイズキャンセリングの効きは、前モデルから一段上がりました。4つのマイクが周囲の騒音と装着の密閉具合を検知し、リアルタイムで打ち消し量を調整します。電車の走行音やカフェのざわつきは一段下がり、ボーカルと楽器の輪郭が前に出てきます。眼鏡をかけたままでも、密閉が崩れてノイズが漏れる感覚はほとんどありませんでした。
外音取り込みは、ワンタップで会話に戻れる切り替えです。駅のアナウンスを聞きたいときや、レジで一言交わすときに、いちいち外す必要がありません。音楽を止めずに周囲の声だけを通すので、通勤中の使い勝手が上がります。
率直に言うと、1万円台でここまで静かになるとは思っていませんでした。ただし効き方の種類は、上位モデルの「無音に近づける」ものとは違います。騒音が一段下がって音楽が前に出る、という効きです。
低音の深さと、長時間つけても疲れない装着感
40mmの二層振動板は、低音の深さがまず印象に残ります。ベースの沈み込みに厚みがあり、EDMやヒップホップではリズムの推進力が増します。一方で中高音が埋もれることはなく、ボーカルの抜けも保っています。LDAC対応のAndroidスマートフォンと組み合わせると、ワイヤレスでも音の情報量が一段増えたように感じました。iPhoneではLDACが使えませんが、AACで十分にきれいな音で聴けます。
楕円形のイヤーカップは、耳を包み込む感覚が自然です。イヤーパッドはやわらかく、耳全体を覆うので、2時間以上の連続使用でも耳の縁が痛くなることはありませんでした。約267gの重さは頭頂部に分散され、首への負担も気になりません。側圧は強すぎず、眼鏡のテンプルが当たる部分の痛みも出にくい調整です。
充電を意識しなくてよい電池持ちと、作業を止めない接続
ノイズキャンセリングをオンにしたまま、1週間は充電なしで使えました。通勤の往復と作業中の音楽を合わせても、残量を気にする場面はありません。出かける直前に残量が少ないことに気づいても、10分の充電で10時間分が戻るので、その日の外出は十分にまかなえます。
マルチポイント接続は、スマートフォンとパソコンの併用で効きます。パソコンで動画を見ているときにスマートフォンへ着信が入ると、切り替え操作なしで通話側へ移ります。3マイク+AIの通話音声は、屋外の風切り音の中でも声が聞き取りやすいと相手に言われました。ボタンは物理式で、音量とノイズキャンセリングの切り替えが手探りでも確実に操作できます。
気になる点・デメリット
有線接続ではノイズキャンセリングが使えません
AUXケーブルをつなぐと、電源がオフになりノイズキャンセリングは働きません。機内やバッテリー切れの場面で有線を使うときは、遮音はイヤーパッドの密閉だけに頼ることになります。飛行機で有線を使う場面が多い人は、この時点で候補から外れる欠点です。その用途が中心なら、有線でもノイズキャンセリングが使える機種を選んだほうがいいです。逆に無線が前提なら、50時間の電池持ちがあるため、国内線の往復で有線に頼る場面はまず出てきません。出発前にフル充電しておくのが実際的な運用です。
LDACはAndroid限定で、アプリでの有効化が必要です
LDACはAndroidスマートフォンでのみ使え、soundcoreアプリでの有効化が必要です。iPhoneではLDACが使えず、AACでの再生になります。さらにLDAC使用時は2台同時接続をオフにする必要があります。評価への影響をはっきりさせると、iPhone中心の人にとってLDACは「存在しない機能」です。この場合はLDACを判断材料から外し、ノイズキャンセリングと電池持ちだけで12,990円を値踏みするのが正解です。Androidの人は、アプリでLDACをオンにする設定さえ済ませれば、以降は意識せずに使えます。
折りたたみ時の厚みは、持ち運びで少し気になります
オーバーイヤー型のため、トラベルポーチに入れてもかさばります。小さいバッグに毎日詰め込む使い方では、この厚みがそのまま不便になります。持ち運びの軽さと小ささを優先するなら、イヤホン型のほうが取り回しは楽です。付属のトラベルポーチに入れてリュックのメイン気室に常駐させる使い方なら、潰れや傷を気にせず持ち歩けます。
前モデル・下位モデルとの比較
Soundcore Q30i(8,990円)
予算を抑えたいならQ30iです。同じQシリーズの前モデルで、価格は4,000円安いです。違いはノイズキャンセリングの世代(Q30iはウルトラノイズキャンセリング、Q31iは3.0)と、ワイヤレスでのLDAC対応、Bluetoothの世代(5.3と6.0)です。ノイズキャンセリングの効きと音質の情報量を重視するならQ31i、価格を優先するならQ30iと分かれます。
Soundcore Q20i(6,990円)
とにかく安くノイズキャンセリングを試したいならQ20iです。価格はQ31iの約半分で、ノイズキャンセリングオンで最大40時間、オフで最大60時間持ちます。ただしハイレゾは有線接続時のみで、Bluetoothは5.0です。音質と最新の静けさを求めるならQ31i、入門機として十分ならQ20iという棲み分けです。
よくある質問
iPhoneでもLDACで聴けますか
聴けません。LDACはAndroidスマートフォンでのみ使えます。iPhoneではAACでの再生になりますが、40mmドライバーの音質自体は変わらず、普段の音楽鑑賞には十分な音です。
ノイズキャンセリングは有線でも使えますか
使えません。AUXケーブルを接続すると電源がオフになり、ノイズキャンセリングは働きません。有線で使う場面では、イヤーパッドの密閉による遮音だけになります。
2台のデバイスに同時接続できますか
できます。マルチポイント接続に対応し、スマートフォンとパソコンの2台に同時接続できます。ただしLDACを使う場合は、2台同時接続をオフにする必要があります。
充電が切れたとき、すぐ使えるようになりますか
約10分の充電で最大10時間再生できます。フル充電は約2時間です。出かける直前の短時間充電でも、その日の外出分は十分にまかなえます。
まとめ
Anker Soundcore Q31iは、Qシリーズのベストセラーの流れを受け継ぎながら、静けさと音質と電池持ちを同時に引き上げたモデルです。有線時のノイズキャンセリングなし、LDACのAndroid限定という割り切りははっきりしていますが、それは用途で切り分けられる種類の欠点です。通勤と作業の両方で毎日使うヘッドホンとして、私はこの1台を手元に残します。判断の分かれ目はシンプルで、前モデルとの価格差4,000円を、ノイズキャンセリングの進化とLDACに払う価値があるかどうかです。
Anker Soundcore Q31iはAmazonと楽天市場、Yahoo!ショッピングで販売中です。価格は12,990円です。
※本記事は2026年10月時点の情報で記載しています。
出典・参考
- soundcore公式製品ページ「Soundcore Q31i」(スペック全般)
https://www.soundcore.com/products/d1404-q31i-active-noise-cancelling-headphones - AV Watch「Anker、ノイズキャンセリング進化の『Soundcore Q31i』」(2026年10月28日、価格・仕様)
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/2151884.html - Mac Fan Portal(発売日・価格・イヤーカップ設計)
https://macfan.book.mynavi.jp/article/116631/ - applech2(2026年10月21日、販売チャネル)
https://applech2.com/archives/20261021-anker-soundcore-q31i.html - 画像はsoundcore公式(米国)およびAnker Japan公式ストアの製品画像を使用しています
- ※ 本記事のリンクには広告(Amazonアソシエイト・楽天アフィリエイト)が含まれます。掲載順や評価は報酬額で決めていません。